リバプールに移籍した南野拓実がFAカップ3回戦エバートン戦で先発出場し、リバプールでデビューした。
大きな活躍がなかったため観る人によって評価が分かれるところだが、パスをもらうための動き出しが速く、エバートンのディフェンダーはワンテンポ遅れての対応を強いられていたように見える(問題は味方もその動きについていけず、南野のタイミングでパスを受けることが出来ていなかったのも事実だ)。
ただし、この点はリバプールの先発が若手中心のリーグ戦では控えの選手で構成されていたためレギュラーメンバーであれば出し手もそれなりのレベルで反応できると期待している。また、10代の選手はアピールが大事なので下手に見ず知らずのおっさん(ここでは敢えて南野をこう呼ばさせていただいた)に預けるよりも自ら運ぶ方が自然な対応だと理解できる。南野もまだリバプールに移籍して5日なのでメンバーとの連携は今後改善されていくだろう。
気になったのはCFというポジションだ。フェルミーニョっぽく動いていたようには見えるが、南野の良さはボールを持ってからゴールへ向かうまでのスピードとフィニッシュの確度なので、ボビーのようにうまく立ち回ろうとして、日本人選手が得意とする器用貧乏になるんじゃないかと心配してしまう。
いずれにせよ、南野はリバプールというチームで臆することなく堂々とプレーできていた。CLでリバプールをあと一歩のところまで追い詰めた時の気概をこのデビュー戦でもみせてくれたと思う(後半はハーフタイムで何か言われたのか動きが大人しくなってしまったが)
ついでにリバプールの補強の傾向について触れておきたいと思う。
Footballistaの記事でそれが紹介されていたけれど、今のリバプールはストーミングを改良させ、部分的にポジショナルプレーを取り入れることで運動量をセーブすることに成功したらしい。
昨年度のリーグ後半の失速はハードスケジュールとストーミングによる慢性的な運動量の低下(ようするにバテ)が原因ではないかと考察している。今期もそれなりにハードに動き回っているとは思うが、昨年度のそれよりはマシらしい。
ポジショナルプレーを取り入れるために、アリソン、ファンダイクのように後ろから繋げられる選手も補強したし、中盤も前線のような圧倒的な個というより器用なタレントが揃っている。
両サイドバックは器用というよりクロスの精度に特徴を持っていて、そこから得点につながることも多い。
(こちらの本にJリーグではクロスを上げるほど勝率が下がるというデータがあったが要するに質なんだなと実感している)
南野の補強は上記のことからオールラウンダーであるがゆえの補強でゲーム後半やカップ戦で主力の穴を埋めるための目的で行われたのではという理解である。
思ったよりメディアが騒いでいるから、微妙に盛り上がってはいるけど、過剰な期待はそれ以上のがっかり感を生むので禁物だ。
個人の勝手な希望としては、リバプールでもフィニッシャーとして活躍する南野を観てみたい。
いい意味で期待を裏切れる活躍を期待してます。
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